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ジョコビッチに勝てない錦織 フルセット負けをどう評価すべきか?【ローマ大会準決勝感想】

テニス
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BNLイタリア国際(ローマ大会)2016準決勝。
錦織はジョコビッチにフルセットの末
惜しくも敗れてしまいました。

なかなかジョコビッチに勝てない錦織。
今回のフルセット負けを
どう評価すべきなのか?

私なりに感想をまとめてみます。



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錦織圭対ジョコビッチ戦の試合結果


11度目の対戦となった
錦織圭対ジョコビッチ戦の試合結果です。

錦織圭 646(5) 1
ジョコ 267(7) 2

第1セットを先制した錦織ですが
第2セットを奪い返されると
最終セットはタイブレークの末
競り負けてしまいましたw

これで錦織の対ジョコビッチ戦の
対戦成績は2勝9敗
となりました。
(今回の敗戦で8連敗)

フルセット負けをどう評価すべきか?


この試合はフルセットの接戦となりました。
最終セットもタイブレークでの決着ということで

「錦織とジョコビッチは互角の戦いを演じた」
「錦織はジョコビッチ(のレベル)に追いついた」
「錦織がジョコビッチに勝てる日は近い」


などという意見があるかもしれませんが、
この試合に関しての私の見解は
それとはちょっと異なります。

この試合に限って言えば、
第1セットと第2セット以降は
分けて考える必要があると思います。

第1セット先取はジョコのアクシデントの影響


第1セットは錦織が先取しました。

錦織がジョコビッチの
サービスゲームを2度ブレークし、
自身のサービスゲームは
何度もブレークポイントを握られながら
全てしのいでキープ出来たのが大きかったです。

たしかに錦織のプレーは素晴らしかったですが、
ジョコビッチの方は
あきらかにハンディを背負っていました。

第1ゲーム終了後に左足のケガで治療


試合が始まってから
まだ1ゲームしか終わっていない段階で
ジョコビッチが突然のメディカルタイムアウト。

「ジョコビッチに何が起こったのか?」
と訳がわかりませんでしたが、
どうやら、自分のラケット(フレーム)で
左足内側の踝(くるぶし)付近を叩いてしまい、
そのせいで皮が向けて出血してしまった
ようなんです。

「自分で自分を傷つけて馬鹿じゃないの?」
なんて思った方はテニスやってない方だと思います。

テニスやっている方なら
「自分もやったことある」
という方は多いのではないでしょうか?

クレーコートの試合の場合、
しばらくプレーしていると
テニスシューズの靴底の
くぼみや穴に土が詰まってしまうんです。

ちなみに
見にくいかもしれませんが、
クレーコート用のテニスシューズの
靴底はこんな感じのデザインが多いです。
(※商品によって異なります)


そのままプレーしていると
シューズのグリップ力が落ちるので
プレイヤーはシューズの側面あたりを
ラケットでポンと叩いて
その土をふるい落とすんです。

で、この動作は
ポイント間の流れの中で行う動作なので
そんなにしっかりと足元を見てなかったりします。
(人によってはノールックです)

だから誤って変なところを
叩いちゃうこともあったりするんですよねw

土を落とすには
それなりの力で叩かないといけなくて
上手くシューズの側面や靴底に当たれば
足にダメージはないんですが、
今回のジョコのように
踝(くるぶし)にラケットのフレームが
当たったりするとめちゃくちゃ痛いんですよねw

ジョコビッチのケガについては
出血自体は大したことなかったと思いますが、
その足の痛みがしばらく消えなかったんだと思います。

ポイントを早く決めようと急いでいましたし、
フットワークも普段よりも重かった。

錦織のドロップショットも簡単に諦めるなど
明らかにプレーがおかしかったですからね。

ということで、錦織が
第1セットを取ったことは評価できますが
ジョコビッチのアクシデントの影響が
大きかったと思うので
このセットは錦織が取って当然というか
これでセットをとれないようなら
ジョコビッチに勝てるわけない
と思って観てました。

第2セットからジョコビッチが復活


第2セットに入ると、
ジョコビッチの足の痛みが引いてきたのか
彼のプレーが徐々に良くなっていきます。

そのことも影響したのか、
第1セットのように
錦織がブレークできなくなりました。

錦織もピンチを切り抜けて
キープを続けていましたが
最後の最後でブレークを許し
第2セットを奪われます。

この日のNHK解説者だった
谷澤英彦氏もコメントしてましたが、
「錦織が勝つとしたらストレート勝ちしかない」
というのは私も同じ見解でした。

ジョコにアクシデントがあったとはいえ、
錦織にとってはチャンスだったわけで、
ジョコのコンディションが回復する前に
勝負を決めなければ勝てない、
と思っていたからです。

この第2セットは
第1セットほどではないにしろ
錦織が決めきるチャンスが
まだあったと思いましたので
これをとれなかったのは痛いなと思っていました。

最後のブレークの場面も
このゲームだけ、
ちょっと簡単に取られちゃった感がありましたしw

しかし第1セットを失ってからの
ジョコビッチの反撃というか盛り返しというか
世界ランク1位の意地・底力は凄まじいですねw

(同日追記)
そういえば第何セットか忘れましたが
ジョコビッチが審判から
警告(ウォーニング)を受けましたねw

理由は錦織のサーブがフォールトだった時に
そのボールをネット脇で待機している
ボールボーイ(ガール)に向けて
強打したからのようです。


通常フォールトだった場合
ボールを見逃す(触らない)か、
ラケットでネットの両サイド方向に
ボールを返したりするんですが、
ボールの威力を殺して転がすことが多いんですよね。

ただ際どいボールだった場合は
相手コートにリターンを返すこともあるし
ボールの威力をコントロールするだけの
余裕が無い場合だってありえます。

今回の場合、
ジョコビッチが意図的に
強いボールを返したのかわかりませんが、
個人的に警告はちょっと厳しい判定にも思え、
ちょっと可愛そうな気がしました。
(試合にはほとんど影響ありませんでしたが)

その後ジョコビッチは
ボールボーイのところに近づき、
握手をしてお詫びをしましたが、
フラストレーションが溜まっていた
のは少なからずあったのかもしれませんね。


おまけですが、
ジョコビッチのラケットのガット(ストリングス:糸)が
ラリー途中で切れてしまったんですが
ジョコビッチが気づかないまま
次のポイントの準備体勢に入り、
審判に教えてもらって
ようやくラケットを交換する
という珍しい場面もありましたw

普通はガットが切れると大きな音がするので
自分で気づくことが多いですし
ポイント間のインターバル中に
ラケットフェイス(面)を見ながら
ガットのよじれを直したりすることも多いので
ガットが切れた事に気づかない
というのは本当に珍しいことです。

それだけジョコビッチは
心理的に余裕がなかったということでしょうか?

第3セットこそ本来の試合


そして第3セット。
すべてを観終わった後の感想としては
この第3セットこそが
錦織ジョコビッチ戦の本来の姿であり、
そして両者ともに最高のプレーを見せてくれた
素晴らしい内容だったと思います。

第3セットに入ると
ジョコビッチはもう足の影響は全く感じられないほど
普段通りのプレーに戻ってました。

しかし錦織もそのジョコビッチに
引けをとらないスーパープレーを連発!!

特にこの日はリターンが良かったですね。
あれだけリターンエースを連発する
錦織を観たのは久しぶりのような気がします。

錦織もジョコビッチも
「ゾーンに入ってる」
といっていいような、
最高のパフォーマンスを見せてくれました。

細かく見ていけばミスもありましたけど、
ポイントの多くはどちらかのウィナー。

「ミスでポイントを失う」
のではなく
「スーパーショットでポイントを奪う」
形で試合が進んでいくので
観ていて興奮しましたねw

錦織が
先にブレークを許した時には
「これで終わったか?」
と諦めかけましたが
その後ブレークし返したのには驚きましたw

その後も一進一退の攻防が続きましたが
最後に勝ったのはジョコビッチでした。

内容こそ互角と言っていいものでしたが
勝負強さという点では
ジョコビッチのほうが一つ抜けてたのかな?
というのが最終的な感想です。
(錦織が勝ってたらまた違ってたかもしれませんがw)

錦織はジョコビッチにあと一歩なのか?


試合全体でみれば
フルセットまで戦い、
最後はタイブレークまでもつれたわけですから
「大接戦」
と言っていいのかもしれません。
でも「あと一歩」ではないように思います。

上述の通り第1セットはいわば
錦織がアドバンテージをもらったようなものなので
フルセットというのは
あまり意味が無いように感じます。

ジョコビッチが勝手に犯した事故による
アドバンテージが転がってきた試合とは言え
それを活かして勝負を決めきれなかった錦織。

ディスアドバンテージ(不利・ハンディ)を招きながらも
そこから巻き返して
最後は勝ってしまうジョコビッチ。

やはりこの差は大きいと感じました。

第3セットを観れば分かる通り、
技術的な部分では
錦織はジョコビッチにも引けをとらないだけの
素晴らしいプレーができる選手だと思います。

正直、
この二人のストローク合戦は
TVゲームでも観ているんじゃないかと思うくらい
「なんであんなショットがポンポン入るんだよ」
って驚くものばかりでしたからねw

スピードといい、コースといい。。。

でも、
ここぞという場面(勝負どころ)だけを見ていくと

・ファーストサーブがきっちり入る
・ストロークのミスが少なく、相手にプレッシャーをかけられてもより厳しいボールを返せる


のがジョコビッチ。

・積極的に前に出るも中途半端なボレーになってジョコに切り返される
・チャンスの場面でのイージーミスが出る


のが錦織圭。

という感じなんですよね。

錦織はジョコビッチに勝てないのか?


今回の第3セットのように、
両者ともにベストコンディション
と思えるような状態で対戦することは
なかなか無いかもしれません。

どちらかのコンディションが悪かったり
アクシデントが起こることもあるでしょうからね。

なので、状況によっては
錦織がジョコビッチに勝てる日が
再び訪れることはあるだろうとは思います。

しかしそれが
近い将来になるのか?
遠い将来になるのか?

に関しては、錦織が
どれだけ勝負どころでの強さを身につけられるか
で変わってくるような気がしています。

ジョコビッチがベストコンディションだった場合
第3セットのようなプレーを
最低2セット続けられなければいけませんし、
なおかつセットを取らなければいけません。
グランドスラムなら最低3セットです。

流れでブレークできちゃうこともありますが、
ジョコビッチの勝負強さを上回れなければ
そう簡単には勝てないだろうと思います。

ジョコビッチとの対戦は貴重な経験


ここまでちょっとネガティブな内容になりましたが
ジョコビッチに勝てない試合が続くにせよ、
ジョコビッチとの対戦が増えることは
錦織にとってもプラスだと思います。

こういう緊張感のある、
ギリギリのところでの戦いを繰り返すことで
錦織自身が鍛えられますからね。

結果にかかわらず、
貴重な経験だと思います。

ジョコビッチと対戦することで
新たな発見があるかもしれませんし、
外から見て感じるイメージと、
実際に対戦して実感するものは違いますからね。

ジョコビッチの弱点とか、
どうやればポイントを取りやすいかとか、
戦略を考える際にも参考にできることが
多いんじゃないでしょうかね?

内容で言えばあれだけの試合ができるんですから
苦手意識みたいなものは払拭できるでしょうし、
むしろ自信に繋がるかもしれません。

これはジョコビッチ相手だけじゃなく、
他の選手と対戦する際にも活きてきます。

ですから、個人的には
ジョコビッチとの対戦を多くできるよう
まず錦織がすべきことは
出場した大会で一つでも多く勝ち進むことだと思ってます。

同じ大会にジョコビッチも出場していれば
決勝までに高確率で対戦できるわけですから。
(ジョコビッチがほぼ負けないという前提で)

そして対戦が実現した際には
その対戦を大事にすること。

結果ももちろん重要ですが、
それよりも、
「何かしら次に繋がる試合」
にしてほしいですね。

まだまだ厳しい相手ではありますが、
勝つチャンスは必ずやってくると思います。

今回は残念でしたが
また次の対戦に期待したいと思います。



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